PERSONに関する記事

PERSON ゴルフの先駆者

安部 成嘉

横屋ゴルフアソシエーション、
最初にして最後の日本人会員

 

安部成嘉
Naruyoshi Abe
1867(慶應3)-没年不詳

 日本で二番目に誕生したゴルフクラブである、横屋ゴルフアソシエーション唯一にして初めての日本人会員であり、最後の会員(26人目)となったのが、安部成嘉である。
 海外赴任以前にも神戸ゴルフ倶楽部を訪れたことはあったようだが、本格的に始めたのは横浜正金銀行(現在の三菱UFJ銀行へとつながる、東京銀行の前身)ロンドン支店勤務時代だったと思われる。1913年、神戸支店長として赴任するため帰国(「人事興信録」1928年7月号より)。神戸ゴルフ倶楽部、そして横屋ゴルフアソシエーションに入会している。
 横屋に入会金はなく、100円の寄付金を納めたという。当時の大卒の初任給が約30円であったことから考えると、かなり高額な寄付金だったことがわかる。
 のちに鳴尾ゴルフ倶楽部にも入会した安部について鈴木岩蔵(鳴尾ゴルフ倶楽部の初代プレジデント)は「鳴尾初期のゴルファーで私の印象にある人は、まず正金銀行の安部成嘉氏、正金のロンドンから帰って来て当時最新のプレーを見せてくれた」(『鳴尾ゴルフ倶楽部40年史』より)と語っている。
 横屋ゴルフアソシエーションの開祖であるW.J.ロビンソンが、横屋閉鎖後に鳴尾ゴルフアソシエーションを創立するため、鈴木商店が所有していた鳴尾速歩競馬場の跡地を、無償で借り受けることに成功したのは、安部成嘉の尽力によるものという。

 

参考文献:
「日本のゴルフ史」西村貫一著、1930年初版、文友堂
「鳴尾ゴルフ倶楽部40年史」
鳴尾ゴルフ倶楽部100年誌「naruo spirit」
「人事興信録」第8版、1928年刊行

INDEX

Recommend

Most Viewed

Pickup Keyword

JGAゴルフ・ミュージアム 日本プロゴルフ殿堂