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服部道子、日本女子アマ最年少優勝

1984年、服部道子
高校1年生で日本一に

 アマチュアとプロで輝かしい成績を残してきた服部道子が全国規模で最初に注目を集めたのが1984(昭和59)年の日本女子アマだった。
 山口県の周南カントリー倶楽部で6月20日から3日間にわたって開催された日本女子アマチュアゴルフ選手権には146人の選手が参加。高校1年の服部は2度目の挑戦だった。
 前年は中学3年ながら24位と健闘。この年は中部女子アマで初優勝し、一回り成長して乗り込んでいた。
 初日、服部は1アンダー、73をマークして単独首位に立つ。1打差の2位は中島恵利華と伊藤佳子。19歳の中島は中嶋常幸の妹という話題性だけでなく、関東女子アマ3連覇、日本女子オープンローアマ2回という実力も有していた。伊藤は慶大生で米国留学中。こちらも日本女子オープンローアマのタイトルを持っていた。
 2日目、ドライバーショットが乱れた服部は77と苦戦するが全体的にスコアが伸びず、通算2オーバーは中島と並んでの首位。2打差の3位には伊藤ら3人が続いた。
 雨となった最終日、並んでいた中島がいきなりトリプルボギーを叩いて後退する。対して服部はパーでスタートし、2番でバーディ先行。一気に優位に立った。
 中島は9番もトリプルボギーとしてしまい、前半は45。圏外に去ってしまった。服部は2バーディ、2ボギーの37にまとめて2位グループとは4打差で折り返した。
 後半も服部のゴルフは崩れない。1バーディ、1ボギーで迎えた最終ホールをバーディで締めてこの日は1アンダーの73。通算1オーバーは2位の伊藤に6打差をつける快勝だった。

 

15歳288日で日本女子アマに優勝した服部道子

 

翌年、日本女子アマを連覇、
全米女子アマにも優勝

 「優勝なんて思ってもみなかった」とはにかむ服部はこの日で15歳288日。大会史上最年少優勝という記録も打ち立てた。
 そして記録はもうひとつ。母親の紘子が1962年に日本女子アマを制しており(当時の名前は松波紘子)、大会史上初の親子チャンピオンが誕生したのだ。
 服部は翌年、日本女子アマで連覇を果たし、夏には全米女子アマチュアゴルフ選手権優勝という歴史的快挙を果たす。日本女子アマ最年少優勝記録は2004年に宮里美香に塗り替えられるまで20年間輝き続けていた。

 

文/宮井善一

 

    1日目 2日目 3日目 Total Score
1 服部 道子 73 77 73 223 +1
2 伊藤 佳子 74 78 77 229 +7
3 橋本 愛子 77 76 77 230 +8
4 高橋 良江 76 78 78 232 +10
5 谷 弘恵 76 76 81 233 +11

 

参考文献:
「日本ゴルフ協会70年史」
「スポーツニッポン」 

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