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HISTORY 競技

第1回日本女子プロゴルフ選手権

初代クイーンは樋口久子

 女子のプロゴルフ競技が始まったのは1967(昭和42)年のことである。この年の10月に日本プロゴルフ協会が第1回の女子プロテストを実施して26人が合格。同協会内に女子部が創設され、12月8日に芙蓉カントリー倶楽部で、日本プロゴルフ女子部創設記念競技が開催された(優勝は小川美知惠)。そして翌1968(昭和43)年に本格的な競技がスタートする。
 女子ゴルフ初の公式競技、日本女子プロゴルフ選手権が、1968年7月17、18の両日、静岡県の天城カントリークラブ(現・フジ天城ゴルフ倶楽部)で第1回プロテスト合格者から22人と7月1日に入会したばかりの2期生4人の計26人が参加して開催された。
 競技は6320ヤード(out・Par36、in・Par37)のコースを1日で27ホール(初日はout→in→outのPar109、最終日はin→out→inのPar110)プレーする2日間のストロークプレーで争われた。

 

日本女子プロゴルフ選手権、初代チャンピオンとなった樋口久子。樋口はこの大会で1974年まで7連覇、通算9勝という今も破られない大記録を残している

 

二瓶綾子に競り勝つ 

 初日は天城カントリークラブ所属(当時)の二瓶綾子がまず抜け出す。18ホールを71で回り2位に5打差をつけた。しかし、20ホール目(パー4)の2打目を連続して左にOBしてこのホールで8を叩いてしまう。最後の9ホールは41と崩れ、通算112で樋口久子と並んだ。
 最終日は31歳の二瓶と22歳の樋口の一騎打ち。18ホール終了時で樋口が1打リードして最後の9ホールに入っていった。20ホール目で二瓶が痛恨のダブルボギーを叩いて差が広がり、樋口は最終ホールをバーディで締めた。通算3オーバーの222で樋口が初代クイーンに輝き、二瓶は4打差の2位。最後の9ホールで35をマークした小川美知惠が樋口から10打差の3位に入った。

 

師匠の中村寅吉(当時、女子部部長)から優勝カップを受け取る樋口久子

 

 大会前、樋口は師匠の中村寅吉から「第1回大会の優勝者はずっと名前が残るぞ」とハッパをかけられていたという。中村は女子部創設に尽力しており、当時は女子部部長を務めていた。初日終了後、パッティングが思うように決められなかった樋口は中村に相談し、「オープンスタンスで打て」とアドバイスをもらったというエピソードが日刊スポーツに掲載されている。その師匠が見守る中での優勝。見事に恩返しを果たした。
 樋口はこの後、この大会を7連覇。また12月に開催された第1回日本女子オープンでも優勝し、初代賞金女王にも輝いている。 

 

    1日目 2日目 Total 賞金
優勝 樋口 久子 112 110 222 ¥150,000
2 二瓶 綾子 112 114 226 ¥80,000
3 小川 美智惠 115 117 232 ¥70,000
4 佐々木 マサ子 117 119 236 ¥50,000
5 大山 文代 115 124 239 ¥35,000
6 岡田 美智子 114 126 240 ¥20,000
7 坂本 美代子 122 120 242 ¥15,000
8 清水 和子 125 120 245 ¥10,000
9 中村 悦子 119 128 247 ¥10,000
10 杉本 伊代子 124 125 249 ¥10,000
11 今村 美代子 125 128 253 ¥0
12T 石井 美和子 127 127 254 ¥0
12T 山崎 小夜子 132 122 254 ¥0
14T 高橋 幸子 125 130 255 ¥0
14T 当波 いつ子 133 122 255 ¥0
16T 石合 文子 133 125 258 ¥0
16T 野田 節子 130 128 258 ¥0
16T 原田 経子 129 129 258 ¥0
19T 勝野 輝美 132 130 262 ¥0
19T 吉田 さき子 126 136 262 ¥0
21 小川 光子 126 138 264 ¥0
22 山中 美津子 133 133 266 ¥0
23 竹谷 愛子 131 136 267 ¥0
24 石井 冨美子 134 139 273 ¥0
25 木島 洋子 136 142 278 ¥0
26 日野 美代子 140 142 282 ¥0

 

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