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PERSON ゴルフの先駆者

水谷 叔彦

はじめてゴルフをした日本人

 

水谷叔彦
Yoshihiko Mizutani
1865(慶應1)-1947(昭和22) 

 ゴルフを始めてプレーした日本人といわれているのが、のちに海軍機関少将となった水谷叔彦である。水谷は英国グリニッジの王立海軍大学に1893(明治26)年から1897年10月まで留学しており、留学中につけていた日記(1896年1月)に『午前Golfingヲ為ス』とある。
 水谷本人も「日本打球」(ゴルフドム改題)の1943年6月号に「有名なグリニッジ天文台の公園の直ぐ傍に広いブラックヒースがあって、一年のあるシーズンの間だけゴルフのプレーを許していた。ホールの数はたった四つしかなく、それもヒースのことだからもちろん平坦なコースであった。私は留学中の二年間そこでプレーして、翌三十年に帰って来たのである。その頃ロンドンの付近にはレギュラーのコースはいくらもなかったと記憶している」と書き残している。
 ゴルフを教えてくれたのは同窓のアメリカ人海軍士官で、ボールはガタパーチャ。クラブはドライバー、マッシー(5番アイアン)、パターの3本であった。「その頃の在留邦人でゴルフをやる人はもちろんいなかった」という。

 

イタンキゴルフクラブの設立に携わる

 水谷は後年、日本製鋼所(当時・本社室蘭)の常務となり、現在の室蘭ゴルフ倶楽部の前身であるイタンキゴルフクラブ(1929年、イタンキ浜)の設立に携わっている。イタンキは海浜のコースだが、元は牧場であったという。水谷叔彦はイタンキ浜の草原に、ゴルフと出合ったグリニッジの光景を重ねていたかもしれない。

 

参考文献:
「日本打球」1943年6月号
「日本ゴルフ協会七十年史」
「大日本博士録 第5巻」発展社編、1928-1930年

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