HISTORY 競技
日本シニアオープンゴルフ選手権競技
50歳以上を対象として
1991年に始まった日本シニアオープン
50歳以上のプレーヤーを対象にした日本シニアオープンゴルフ選手権競技が誕生したのは1991(平成3)年のことだった。
プロの世界では日本プロゴルフシニア選手権大会が1962(昭和37)年に創設され、アマチュアではJGA主催の日本シニアゴルフ選手権競技が1979(昭和54)年に始まっていた。アマチュアとプロが集う日本シニアオープンゴルフ選手権競技の開始が遅れた理由のひとつに両者のシニア競技における出場可能な年齢の違いがあった。
日本シニアゴルフ選手権競技の出場資格は当時60歳以上(1993年に55歳以上へ変更)。一方でプロのシニア競技は50歳以上の選手が対象。同じシニア競技でもアマチュアとプロでは10歳もの違いが存在していたのである。
1980年代後半になるとプロのシニア競技が増え、日本シニアオープンゴルフ選手権競技創設に向けての機運が高まっていく。JGAと日本プロゴルフ協会が協議を重ねた末に出場資格を50歳以上に定めて日本シニアオープンゴルフ選手権競技開催が実現。大会はJGAと日本プロゴルフ協会の両者が主催という形になった。
第1回大会の優勝者は、
日本プロ、関東オープン、関東プロで5勝を挙げ
“公式戦男”と言われた金井清一。
日本シニアオープンゴルフ選手権競技3連覇など、
シニアツアーでも通算17勝を挙げ、
5回のシニアツアー賞金王を獲得した。
写真は1985(昭和60)年の
関東オープンゴルフ選手権競技
第1回の優勝者は金井清一
埼玉県の鳩山カントリークラブで行われた第1回大会は金井清一が杉原輝雄を逆転して初代チャンピオンに輝く。金井はここから大会3連覇を果たした。
1994(平成6)年の第4回大会には米国のシニアツアーで活躍中の青木功が初出場。南アフリカのゲーリー・プレーヤーも参戦して豪華な顔ぶれとなった。大会は最終日に青木が橘田光弘との5打差を逆転して優勝。4日間で前年の約4倍にあたる8300人の観客が詰めかけた。青木は第7回大会まで4連覇を飾っている。
1998(平成10)年の第8回大会からはJGAの単独主催となる。この年はオーストラリアのグラハム・マーシュが海外勢として大会初優勝を飾った。
2005(平成17)年には中嶋常幸が大会初制覇。日本アマチュアゴルフ選手権競技、日本オープンゴルフ選手権競技と合わせた3冠を初めて達成した。
青木が大会最多の5勝目を挙げたのが65歳で迎えた2007(平成19)年のこと。6打差5位で迎えた最終日に65をマークしての大逆転劇で、大会史上初のエージシュートと大会最年長優勝をも記録した。
大会最多5勝の記録を持つ青木功。
写真は1994(平成6)年の日本シニアオープン選手権競技
2016(平成28)年にシニア入りしたタイのプラヤド・マークセンが同年に本選手権を初出場で制すると、ここから金井、青木に続く大会史上3人目の3連覇を達成する。マークセンは2022(令和4)年にも勝って通算勝利数を青木に次ぐ歴代2位の4勝に伸ばした。
2024(令和6)年大会の参加資格は前年の日本シニアゴルフ選手権競技上位3位、前年のJPGAシニアツアー賞金ランキング上位30位、日本オープンゴルフ選手権競技歴代優勝者、日本シニアオープン最終予選競技(2会場)通過者など16項目。最終予選競技に通じる地区予選にはハンディキャップインデックス5.9までのアマチュアプレーヤーも参加できる。
文/宮井善一
日本シニアオープンゴルフ選手権競技歴代優勝者一覧
開催年 | 優勝者 | Score | 開催コース | Yards | Par |
---|---|---|---|---|---|
1991 | 金井 清一 | 212(-4) | 鳩山CC | 6669 | 72 |
1992 | 金井 清一 | 289(+1) | 浜松シーサイドGC | 6681 | 72 |
1993 | 金井 清一 | 282(-6) | 日高CC | 6716 | 72 |
1994 | 青木 功 | 279(-9) | 奈良国際GC | 6808 | 72 |
1995 | 青木 功 | 275(-13) | 北浦GC | 6753 | 72 |
1996 | 青木 功 | 275(-13) | 富士C塩河C | 6853 | 72 |
1997 | 青木 功 | 210(-6) | 森永高滝CC | 6787 | 72 |
1998 | グラハム・マーシュ | 274(-14) | 宇部CC万年池東C | 6764 | 72 |
1999 | グラハム・マーシュ | 272(-16) | 六甲国際GC | 6811 | 72 |
2000 | 髙橋 勝成 | 281(-7) | 春日井CC東C | 6765 | 72 |
2001 | ☆小林 富士夫 | 286(-2) | 太宰府GC | 6854 | 72 |
2002 | 福沢 孝秋 | 279(-9) | 我孫子GC | 6774 | 72 |
2003 | 髙橋 勝成 | 277(-7) | 宝塚GC新C | 6630 | 71 |
2004 | ☆髙橋 勝成 | 281(-7) | 茨城GC東C | 6865 | 72 |
2005 | 中嶋 常幸 | 282(-6) | 嵐山CC | 6757 | 72 |
2006 | 中嶋 常幸 | 275(-13) | 桑名CC | 6952 | 72 |
2007 | 青木 功 | 276(-12) | くまもと中央CC | 6965 | 72 |
2008 | 中嶋 常幸 | 273(-15) | 狭山GC | 6985 | 72 |
2009 | 渡辺 司 | 280(-8) | 琵琶湖CC | 6946 | 72 |
2010 | 倉本 昌弘 | 282(+2) | 鳴尾GC | 6602 | 70 |
2011 | 室田 淳 | 284(-4) | 広島CC八本松C | 6873 | 72 |
2012 | フランキー・ミノザ | 284(-4) | 東名古屋CC西C | 7010 | 72 |
2013 | 室田 淳 | 279(-9) | 麻生飯塚GC | 6726 | 72 |
2014 | 倉本 昌弘 | 273(-15) | 小野グランドCCニューC | 6911 | 72 |
2015 | 平石 武則 | 279(-9) | COCOPA RESORT CLUB白山ヴィレッジGC QUEENC | 6840 | 72 |
2016 | プラヤド・マークセン | 276(-12) | 習志野CC | 6938 | 72 |
2017 | プラヤド・マークセン | 270(-18) | ザ・クラシックGC | 6817 | 72 |
2018 | プラヤド・マークセン | 279(-5) | ニドムクラシックCニスパC | 6829 | 71 |
2019 | 谷口 徹 | 280(-8) | 日高CC | 7019 | 72 |
2020 | 寺西 明 | 275(-5) | 鳴尾GC | 6601 | 70 |
2021 | 手嶋 多一 | 265(-19) | シャトレーゼヴィンテージGC | 6465 | 71 |
2022 | プラヤド・マークセン | 276(-12) | タラオCC西C | 7064 | 72 |
2023 | 藤田 寛之 | 278(-10) | 能登CC | 6993 | 72 |
2024 | 崔 虎星 | 275(-9) | 千葉CC川間C | 6811 | 71 |
☆はプレーオフ
※1991、1997年は悪天候のため54ホールに短縮
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