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HISTORY 競技

第1回関西プロゴルフ選手権開催

1931年10月5日、
関西プロゴルフ協会主催で
始まった関西プロ

 第1回の関東プロゴルフ選手権開催から2カ月後、1931年10月5日から3日間の日程で第1回関西プロゴルフ選手権が茨木カンツリー倶楽部で行われた。
 主催は関西プロゴルフ協会。南郷三郎、高畑誠一ら関西ゴルフ界の先達が尽力してこの年に設立された。ゴルフ誌の「ゴルフドム」1931年10、11月合併号には「アソシエーションよりプロの受益するところはゴルフ技術研究例会及びプロゴルフトーナメントの開催がその主なるものであろう」(一部現代語訳)という内容の記事が掲載されている。
 関西プロは初日に36ホールストロークプレーの予選を行い、2日目からは予選上位8人によるマッチプレーという競技方法。14人のプロやプロの助手(アシスタント)が参加した。
 予選をトップで通過したのは152をマークした森岡二郎。2位には4打差で茨木カンツリー倶楽部ヘッドプロ宮本留吉の助手である巽実が入った。第一人者の宮本は159で5位と精彩を欠き、前年の関西オープン覇者である石角武夫は9位で決勝トーナメントに進むことができなかった。

 

第1回関西プロに参加した14人のプロたち。前列左端が優勝した鳴尾所属の森岡二郎

 

鳴尾の森岡が舞子の柏木を退け
第1回大会を制す

 2日目は18ホールマッチプレーの1回戦と準決勝が行われた。宮本は1回戦で自らの助手である上田悌三と対戦し、アウトを3アップで折り返しながら逆転負け。早々に姿を消した。
 予選1位の森岡は1回戦で前年の日本プロを19打差で圧勝した村木章を6-5で退ける。準決勝では宮本を下した上田を2-1で破り決勝進出を果たした。
 もう一方のブロックの1回戦は巽が越道政吉を延長の末に下し、柏木健一が村上伝二に2アップで勝利。準決勝は19ホール目で柏木が制した。
 最終日は36ホールの決勝戦である。鳴尾ゴルフ倶楽部の森岡と舞子カンツリー倶楽部の柏木とのマッチは、実績上位の森岡が8-7で快勝。前夜に雨が降り、グリーンが重くなっていたようで、「ゴルフドム」は「パットに弱味のある柏木がパットのミスをすることが多かった」という内容の記事を掲載している。森岡は2年前の関西オープンに続くタイトル獲得となった。

 

文/宮井善一

 

 

※参考文献
「日本ゴルフ協会70年史」
「ゴルフドム」1931年10、11月合併号

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