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COMPETITION 公式競技

日本女子オープンゴルフ選手権競技

1968年、TBS女子オープンとして始まった第1回大会

 日本に女子プロゴルファーが誕生したのは1967(昭和42)年のことである。10月に日本プロゴルフ協会が初めての女子プロテストを実施し、樋口久子ら26人がプロゴルファーとしての第一歩を踏み出した。

 翌1968(昭和43)年、7月に日本女子プロゴルフ選手権が創設される。そして12月に日本で初めてプロとアマチュアが同じ舞台で戦う女子競技としてTBS女子オープンが開催された。

 

TBS女子オープンとして始まった
日本女子オープンゴルフ選手権競技に優勝した樋口久子

 

 大会を主催したのは東京放送(TBS)。JGAは協賛という形で関わっていた。会場は埼玉県のTBS越谷ゴルフクラブ(現KOSHIGAYA GOLF CLUB)。プロ、アマチュア合わせて90余名が参加して2日間、36ホール(最終日は27ホールの予定だったが雨のため18ホールに短縮)で行われ、樋口がパープレーの148ストロークで優勝した。

 同大会は4年目の1971(昭和46)年から主催がJGAに代わり、日本女子オープンゴルフ選手権競技として生まれ変わる。大会の歴史はTBS女子オープン時代を引き継ぎ、1968年を第1回大会とした。

 

1971年、日本ゴルフ協会の主催に

 JGA主催第1回の1971年は大利根カントリークラブ西コースで開催され、樋口がTBS女子オープン時代からの4連覇を達成している。

 樋口の連覇は1972(昭和47)年に佐々木マサ子によって止められたが、その後も勝利を重ね、大会歴代最多の計8勝を挙げている。歴代2位は涂阿玉と畑岡奈紗の3勝である。

 競技方法は第3回大会の1970(昭和45)年から3日間54ホールのストロークプレーに変更され、1982(昭和57)年から現在と同じ72ホールストロークプレーとなった。

 1983(昭和58)年には台湾出身の涂阿玉が外国人選手として初戴冠。1993(平成5)年には岡本綾子が悲願の初優勝を飾る。42歳は大会最年長優勝でもあった。岡本は1997(平成9)年に2勝目を挙げ、自らが持つ大会最年長優勝記録を46歳に更新している。

 宮里藍が20歳の大会最年少優勝を記録した2005(平成17)年、会場の戸塚カントリー倶楽部西コースには4日間で女子ツアー最多記録となる4万8677人のギャラリーが詰めかけるフィーバーとなった。

 

樋口以来2人目の連覇を果たした畑岡奈紗

 その宮里の記録を塗り替えたのが畑岡奈紗である。2016(平成28)年、当時高校3年生、17歳だった畑岡は最終日に68をマークして4打差5位タイから逆転。大会史上初のアマチュア優勝と最年少優勝を同時に成し遂げた。

 第50回大会を迎えた翌2017(平成29)年にはプロになった畑岡が樋口以来2人目となる大会連覇を達成。2021(令和3)、2022(令和4)年には勝みなみが3人目の大会連覇を記録している。

 2024(令和6)年大会の参加資格は2024年日本女子アマチュアゴルフ選手権競技優勝者や2023年JLPGAツアー終了時点のメルセデス・ランキング上位30位、日本女子オープンゴルフ選手権最終予選競技(2会場)通過者など12項目。出場枠は120人で第2ラウンド終了時の上位60位タイまでが第3ラウンド以降に進出という競技方式である。賞金総額は1億5000万円、優勝賞金は3000万円だった。

 

文/宮井善一

 

参考文献

「日本ゴルフ協会七十年史」

 

 

日本女子オープンゴルフ選手権競技歴代優勝者一覧

開催年 優勝者 Score 開催コース Yards Par
1968 樋口 久子 148(0) TBS越ヶ谷GC 6290 74
1969 樋口 久子 142(-6) TBS越ヶ谷GC 6370 74
1970 樋口 久子 226(+4) TBS越ヶ谷GC 6290 74
1971 樋口 久子 221(+5) 大利根CC西C 6375 72
1972 佐々木 マサ子 224(+5) 浜松シーサイドGC 6311 73
1973 小林 法子 219(+3) 名四CC 6300 72
1974 ☆樋口 久子 224(+8) 名神八日市CC 6360 72
1975 二瓶 綾子 225(+3) 烏山城CC 6357 74
1976 樋口 久子 220(+1) 浜松シーサイドGC 6351 73
1977 樋口 久子 216(-6) 花屋敷GCひろのC 6203 74
1978 ☆清元 登子 219(0) ローズベイCC 6323 73
1979 ☆吉川 なよ子 218(+2) 広島CC八本松C 6328 72
1980 樋口 久子 216(-6) 春日井CC西C 6168 74
1981 大迫 たつ子 213(-3) 総成CC 6169 72
1982 日蔭 温子 285(-3) フォレストGC西C 6288 72
1983 涂 阿玉 218(-1) 芦原GC海C 6356 73
1984 大迫 たつ子 286(-2) 甘楽CC 6260 72
1985 森口 祐子 293(-3) 袖ヶ浦CC袖ヶ浦C 6315 74
1986 涂 阿玉 293(-3) 近江CC 6354 74
1987 ☆吉川 なよ子 287(-1) 筑波CC 6299 72
1988 谷 福美 295(-1) 太宰府GC 6394 74
1989 小林 浩美 289(+1) 武蔵CC豊岡C 6277 72
1990 森口 祐子 288(0) 岐阜関CC西C 6280 72
1991 涂 阿玉 292(0) 札幌GC輪厚C 6429 73
1992 日蔭 温子 287(-1) 名神八日市CC 6271 72
1993 ☆岡本 綾子 288(0) 東名古屋CC西C 6266 72
1994 服部 道子 287(-1) 武蔵CC笹井C 6366 72
1995 塩谷 育代 285(-3) 宇部CC万年池西C 6448 72
1996 高村 亜紀 291(+3) 龍ヶ崎CC 6383 72
1997 岡本 綾子 295(+7) 東広野GC 6306 72
1998 野呂 奈津子 286(-2) 三好CC西C 6320 72
1999 村井 真由美 281(-7) 霞ヶ関CC東C 6347 72
2000 肥後 かおり 293(+5) 飯能GC 6379 72
2001 島袋 美幸 302(+14) 室蘭GC 6396 72
2002 高 又順 278(-14) 箱根CC 6418 73
2003 ☆服部 道子 287(-1) 千葉CC野田C 6480 72
2004 不動 裕理 280(-8) 広島CC八本松C 6448 72
2005 宮里 藍 283(-5) 戸塚CC西C 6453 72
2006 ジャン ジョン 279(-9) 茨木CC西C 6546 72
2007 諸見里 しのぶ 282(-6) 樽前CC 6522 72
2008 李 知姫 284(-4) 紫雲GC加治川C 6484 72
2009 ☆宋 ボベ 277(-11) 我孫子GC 6559 72
2010 宮里 美香 276(-12) 大利根CC東C 6570 72
2011 馬場 ゆかり 292(+12) 名古屋GC 6383 70
2012 フォン シャンシャン 288(0) 横浜CC西C 6545 72
2013 宮里 美香 288(0) 相模原GC東C 6652 72
2014 テレサ ルー 280(-8) 琵琶湖CC 6522 72
2015 ☆チョン インジ 286(-2) 片山津GC白山C 6613 72
2016 @畑岡 奈紗 280(-4) 烏山城CC 6506 71
2017 畑岡 奈紗 268(-20) 我孫子GC 6706 72
2018 ユ ソヨン 273(-15) 千葉CC野田C 6677 72
2019 畑岡 奈紗 270(-18) COCOPA RESORT CLUB白山ヴィレッジGC QUEENC 6479 72
2020 原 英莉花 272(-16) ザ・クラシックGC 6761 72
2021 勝 みなみ 270(-14) 烏山城CC 6550 71
2022 勝 みなみ 285(-3) 紫CCすみれC 6839 72
2023 原 英莉花 273(-15) 芦原GC海C 6528 72
2024 竹田 麗央 278(-10) 大利根CC西C 6845 72

☆はプレーオフ、@はアマチュア

 

競技方式の変遷

 1968~1970年はTBS主催の「TBS女子オープン」として開催。1971年からJGA主催の「日本女子オープンゴルフ選手権競技」

 1968、69年は36ホールストロークプレー

 1970~81年は54ホールストロークプレー

 1982年以降は72ホールストロークプレー(1983年は悪天候のため54ホールに短縮)

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